運送業界で活躍するトラックドライバーにとって、大型免許の取得は給与アップやキャリアアップに直結する重要なステップです。中型免許をお持ちの方であれば、比較的短期間・低コストで大型免許の取得を目指すことができます。本記事では、中型免許から大型免許取得までの完全ロードマップとして、具体的な費用・期間・活用できる支援制度について、静岡県沼津市で重量物運搬を手がける株式会社山本陸運が詳しく解説いたします。
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大型免許取得の基本要件を確認
大型免許を取得するためには、道路交通法で定められた一定の条件を満たす必要があります。中型免許をお持ちの方でも、これらの要件を事前に確認しておくことが重要です。年齢と運転経歴の要件
大型免許を取得するには、普通免許・準中型免許・中型免許・大型特殊免許のいずれかを取得してから通算3年以上の運転経歴が必要です。この通算3年には、免許停止期間は含まれませんのでご注意ください。運転経歴が通算3年以上必要なため、免許取得可能な年齢は実質21歳以上となります。 ただし、2022年5月13日に施行された道路交通法改正により、特定の教習(受験資格特例教習)を修了した場合に限り、19歳以上かつ普通免許保有歴1年以上でも大型免許の取得が可能になりました。この特例教習は、若年層のドライバー不足対策として導入されたものです。視力・聴力などの適性条件
大型免許は普通免許よりも厳格な適性条件が設定されています。視力は両眼で0.8以上、かつ片眼で0.5以上が必要です。普通免許の場合は両眼0.7以上・片眼0.3以上ですので、より高い視力が求められます。 さらに大型免許では、深視力検査も実施されます。深視力とは、遠近感や立体感を正確に把握する能力のことで、大型車両を安全に運転するために重要な要素です。この検査では、三桿試験という方法で3回測定し、平均誤差が2センチメートル以内である必要があります。 聴力については、10メートルの距離で90デシベルの警音器の音が聞こえることが条件です。補聴器を使用しての合格も認められています。このほか、色彩識別能力として赤・青・黄色の識別ができることも必須条件となります。 「参照:警視庁 大型免許試験」中型免許と大型免許の違いとメリット
中型免許と大型免許では、運転可能な車両の範囲や給与面で大きな違いがあります。キャリアアップを考える上で、これらの違いを理解しておくことが重要です。
運転可能な車両の違い
中型免許で運転できる車両は、車両総重量7.5トン以上11トン未満、最大積載量4.5トン以上6.5トン未満、乗車定員11人以上29人以下の車両です。一方、大型免許では車両総重量11トン以上、最大積載量6.5トン以上、乗車定員30人以上の車両を運転できます。 大型免許を取得すれば、10トントラック、ダンプカー、タンクローリー、ミキサー車など、物流業界で需要の高い大型車両の運転が可能になります。さらに、大型免許は上位免許にあたるため、中型車・準中型車・普通車・小型特殊車両もすべて運転できます。つまり、ほぼすべての四輪車両を運転できる資格を持つことになるのです。給与面でのメリット
大型免許を取得することで、給与面でも大きなメリットがあります。公益社団法人全日本トラック協会が2021年に実施した「トラック運送事業の賃金・労働時間等の実態」調査によると、特積ドライバー(男性)の1ヶ月平均賃金は、高い順に大型、けん引、準中型、普通、中型となっています。 大型車両は長距離輸送や重量物輸送に使用されることが多く、その分手当や基本給が高く設定される傾向にあります。運送会社によっては、大型免許取得後に年収が100万円以上アップしたドライバーも珍しくありません。また、大型ドライバーは全国的に需要が高く、どの地域でも求人が豊富なため、就職・転職の選択肢が広がることも大きなメリットです。 「参照:公益社団法人全日本トラック協会」大型免許取得までの流れ
大型免許を取得する方法は主に3つあります。それぞれの方法にメリット・デメリットがありますので、ご自身の状況に合わせて最適な方法を選択することが大切です。教習所に通学する方法
もっとも一般的な方法が、自動車教習所に通学する方法です。警察庁交通局運転免許課が公開している「運転免許統計 令和3年版」によると、大型免許の合格者の大半が教習所を卒業した方で、教習所卒業者の合格率は97.5%と非常に高くなっています。 教習所では第一段階と第二段階に分かれており、第一段階では場内で発進・停止・カーブ・右左折などの基本操作を習得します。第二段階では実際に路上に出て、進路変更や縦列駐車などの実践的な技能を身につけます。所持している免許の種類によって必要な教習時限数は異なりますが、すべての教習を修了して卒業検定に合格すれば、運転免許センターでの技能試験は免除されます。 通学のメリットは、自分のペースで通えることと、仕事をしながらでも免許取得が可能な点です。デメリットとしては、予約が取りにくい時期があることや、取得までに2~3ヶ月程度かかる場合があることが挙げられます。合宿免許という選択肢
短期間で確実に免許を取得したい方には、合宿免許がおすすめです。合宿免許は最短日数でスケジュールが組まれているため、通学と比べて早く卒業できるのがメリットです。中型免許所持者であれば最短6泊7日、中型8t限定MT免許所持者でも最短8泊9日で卒業が可能です。 合宿免許の費用相場は、中型免許所持者で約20万円~25万円、中型8t限定MT免許所持者で約23万円~30万円となっています。宿泊費や食事代が含まれているにもかかわらず、通学とほぼ同じ料金設定になっている教習所も多くあります。 デメリットとしては、合宿期間中はまとまった休みを取る必要があることです。しかし、集中して教習を受けられるため、運転技術の習得が効率的に進むという利点もあります。一発試験で取得する方法
運転に自信がある方は、運転免許センターで直接試験を受ける「一発試験」という方法もあります。一発試験にかかる費用は仮免許試験・本免許試験・取得時講習を合わせて約36,500円と、教習所に通うよりも大幅に安く済みます。 ただし、大型免許の一発試験は難易度が高く、教習所で段階的に学ぶことができないため、合格率は低くなります。また、不合格になった場合は再度受験料がかかりますし、試験を受けるまでに数週間から数ヶ月待つ必要がある場合もあります。一発試験に合格した後も、取得時講習として教習所で速度講習や危険予測講習などを受講する必要があります。 時間に余裕があり、運転技術に自信がある方で、費用を最小限に抑えたい場合に検討する価値がある方法です。 「参照:警察庁交通局運転免許課 運転免許統計」所持免許別の取得費用と期間
大型免許の取得費用と期間は、現在所持している免許の種類によって大きく異なります。ここでは主なパターン別に詳しく解説いたします。
中型免許所持者の場合
中型免許を所持している方は、もっとも短期間・低コストで大型免許を取得できます。教習所での必要時限数が少なく、技能教習14時限(第一段階8時限・第二段階6時限)のみで、学科教習は免除されます。 通学免許の場合、費用相場は約18万円~22万円、最短取得期間は約7日間となります。合宿免許では最短6泊7日で卒業でき、費用は約20万円~25万円が目安です。中型免許をお持ちの方は、比較的スムーズに大型免許へステップアップできるため、キャリアアップを考えている方にとって有利な状況です。中型8t限定MT免許所持者の場合
平成19年6月1日以前に普通免許を取得した方は、中型8t限定MT免許の扱いになります。この場合、必要な技能教習は20時限(第一段階12時限・第二段階8時限)となります。 通学免許の費用相場は約23万円~28万円、最短取得期間は約10日間です。合宿免許では最短8泊9日で卒業でき、費用は約23万円~30万円となっています。中型免許所持者と比べると若干時間と費用がかかりますが、それでも普通免許所持者と比べると効率的に取得できます。普通免許MT所持者の場合
普通免許MT所持者の場合、必要な技能教習は30時限(第一段階15時限・第二段階15時限)、学科教習は1時限必要です。通学免許の費用相場は約35万円~40万円、取得期間は2~3ヶ月程度が目安となります。 普通免許AT限定所持者の場合は、さらに4時限の技能教習が追加され、費用も約40万円~45万円となります。普通免許から大型免許を目指す場合は、まず中型免許を取得してから段階的にステップアップする方が、トータルでの費用や期間を抑えられる場合もあります。所持免許
必要時限数(技能)
費用相場(通学)
最短取得期間
中型免許
14時限
18万円~22万円
7日間
中型8t限定MT
20時限
23万円~28万円
10日間
普通免許MT
30時限
35万円~40万円
2~3ヶ月
教育訓練給付金制度の活用方法
大型免許の取得費用を抑えるために、国の支援制度である教育訓練給付金制度を活用することができます。この制度を利用することで、費用負担を大幅に軽減できます。制度の概要と給付額
教育訓練給付金制度とは、厚生労働省が推進する制度で、働く方々の能力開発やキャリア形成を支援し、雇用の安定と就職の促進を図ることを目的としています。厚生労働大臣が指定する教育訓練講座を修了した場合、受講費用の一部が給付されます。 大型免許の取得に適用できるのは、「一般教育訓練」と「特定一般教育訓練」の2種類です。一般教育訓練では受講費用の20%(上限10万円)が給付されます。特定一般教育訓練では、受講費用の40%(上限20万円)が給付され、さらに資格取得後に就職した場合などは最大50%(上限25万円)まで支給される場合があります。 例えば、中型8t限定MT免許所持者が25万円の教習費用で大型免許を取得した場合、一般教育訓練を利用すると5万円が給付され、実質負担は20万円となります。特定一般教育訓練を利用できれば、最大10万円が給付され、実質負担は15万円まで抑えられます。受給資格と申請手順
教育訓練給付金を受給するには、雇用保険の被保険者期間が一定以上必要です。在職者の場合、受講開始日時点で雇用保険の被保険者期間が3年以上あることが原則です。ただし、初めて教育訓練給付金を受給する方は、被保険者期間が1年以上あれば受給可能となります。 離職者の場合は、離職日の翌日から受講開始日までが1年以内であり、かつ離職日までに雇用保険の被保険者期間が1年以上あることが条件です。また、過去に教育訓練給付金を受給した方は、前回の受講開始日から今回の受講開始日までに3年以上経過している必要があります。 申請手順は以下の通りです。まず受講前にハローワークで「教育訓練給付金支給要件照会」を行い、受給資格があるか確認します。次に指定教習所で全額を支払って教習を受講し、卒業検定に合格します。卒業後1ヶ月以内にハローワークで支給申請手続きを行うと、約1週間~1ヶ月程度で指定口座に給付金が振り込まれます。
申請時の注意点
「参照:厚生労働省 ハローワークインターネットサービス 教育訓練給付金」
教習所によっては教育訓練給付金の対象講座を実施していない場合があります。必ず事前に対象教習所かどうか確認しましょう。また、申請期限は卒業日の翌日から1ヶ月以内と決められており、これを過ぎると給付を受けられません。さらに、教習が延長になった場合の追加料金や、検定料・写真代などは教育訓練経費に含まれないため給付の対象外となります。
企業による免許取得支援制度
教育訓練給付金のほかにも、運送会社が独自に用意している免許取得支援制度を活用することで、さらに費用負担を軽減できます。企業支援を受けて大型免許を取得することは、現在の運送業界では一般的になっています。
運送会社の支援制度の種類
運送会社が提供する免許取得支援制度には、さまざまなタイプがあります。もっとも手厚い支援は「費用全額会社負担」で、一定期間勤務することを条件に取得費用を全額免除する制度です。例えば「大型免許取得後2年間勤務すれば取得費用を全額免除」といった形で提供されています。 次に多いのが「費用一部負担」で、会社が取得費用の半額から8割程度を負担し、残りを従業員が負担する形式です。さらに「貸付制度」として、会社が費用を立て替え、一定期間勤務すれば返済義務を免除する仕組みもあります。この場合、免許取得が本人の自由意思であることや、返済すればいつでも退職できることが条件となります。 また、資格取得中も見習いドライバーとして給与支給を受けられる企業もあり、金銭面の負担を最小限に抑えながらキャリアアップを目指せるのが大きな魅力です。さらに資格取得後に「合格祝い金」を支給する企業も増えています。人材開発支援助成金
企業が従業員に大型免許を取得させる場合、厚生労働省の「人材開発支援助成金」を活用できます。この助成金は、事業主が雇用する労働者に対して職業訓練等を実施した場合、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成する制度です。 人材開発支援助成金には複数のコースがありますが、大型免許の取得が該当するのは「人材育成支援コース」です。運送会社が従業員に大型免許を取得させるため自動車学校で教習を受講させる場合、受講料金の45%~60%と受講時間に応じた賃金助成(1時間あたり760円)を受けることができます。 ただし、この助成金は企業側が申請する制度であり、個人ドライバーが直接申請することはできません。事業主が労働局やハローワークに事前に訓練計画を提出し、認定を受ける必要があります。また、トラック協会の会員事業者向けに、各都道府県のトラック協会が独自の助成金制度を用意している場合もあります。教育訓練給付金
対象者:個人(在職者・離職者)
給付額:受講費用の20~50%(最大25万円)
申請先:ハローワーク
条件:雇用保険加入期間1年以上
人材開発支援助成金
対象者:事業主
助成額:受講費用の45~60%+賃金助成
申請先:労働局・ハローワーク
条件:事前の訓練計画提出が必要
企業独自支援制度
対象者:従業員
支援内容:全額負担・一部負担・貸付など
条件:一定期間の勤務継続が一般的
特徴:給与支給しながら取得可能な場合も
大型免許取得後のキャリア展望
大型免許を取得することで、トラックドライバーとしてのキャリアは大きく広がります。ここでは、取得後の具体的なメリットとさらなるステップアップの可能性について解説いたします。収入アップの可能性
大型免許を取得することで、給与面での大幅な向上が期待できます。長距離輸送や重量物輸送など、大型車両を使用する業務は基本給や各種手当が高く設定されている傾向にあります。実際に大型免許取得後、年収が100万円以上アップしたドライバーも珍しくありません。 物流業界は社会インフラの一部として景気に左右されにくく、特に大型ドライバーの需要は全国的に高い状況が続いています。ネットショッピング市場の拡大により、配送需要は今後も増加が見込まれており、大型免許保有者の採用ニーズは非常に高い状態です。 また、運送会社によっては、地場配送専門や長距離便専門など、勤務スタイルに合わせた働き方も可能です。結婚・子育て・介護などライフスタイルの変化に合わせたキャリア設計がしやすいのも、大型免許を持つ大きなメリットです。さらなる資格取得でキャリアアップ
大型免許取得後も、追加の資格を取得することでさらにキャリアの幅を広げることができます。代表的なものが「けん引免許」で、トレーラーなどのけん引車両を運転できるようになります。けん引免許を取得すれば、より大きな積載量の輸送が可能になり、給与もさらにアップします。 重量物運搬に特化する場合は、「玉掛作業者」の資格取得がおすすめです。クレーンを使用した荷役作業で、ワイヤーやロープを荷物にくくりつける作業を行うために必要な資格で、満18歳以上であれば誰でも受験可能です。さらに「クレーン運転士」の資格を併せて取得すれば、クレーン操作も含めた一連の作業を一人で行えるようになります。 このほか、危険物を運搬する場合は「危険物取扱者(乙種4類)」の資格が役立ちます。ガソリン以外の引火性液体を扱えるようになり、その運搬が可能となるため、運送会社の多くがこの資格保持者を求めています。フォークリフト運転技能講習を修了すれば、荷物の積み下ろし作業の幅も広がります。まとめ
中型免許から大型免許取得までのロードマップとして、取得要件・費用・期間・支援制度について詳しく解説いたしました。大型免許を取得するには、21歳以上で運転経歴が通算3年以上あることが基本条件です。取得費用は所持している免許によって異なり、中型免許所持者であれば約18万円~22万円、取得期間は最短7日間となります。 費用負担を軽減するためには、教育訓練給付金制度や企業の免許取得支援制度を積極的に活用することが重要です。教育訓練給付金では受講費用の20%~最大50%が給付され、企業支援と併用すれば自己負担をほぼゼロにすることも可能です。大型免許を取得することで、給与アップ・仕事の選択肢の拡大・安定した雇用など、多くのメリットが得られます。 静岡県沼津市の株式会社山本陸運では、中型免許保有者の採用を積極的に行っており、重量物・産業用機械の運搬業務でプロフェッショナルとして活躍いただける環境を整えております。経験豊富な先輩ドライバーが丁寧に指導いたしますので、業務内容の詳細をぜひご確認ください。
株式会社山本陸運
〒410-0822 静岡県沼津市下香貫島郷2639-2
TEL:055-932-3845 FAX:055-933-7338
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